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矯正歯科治療をおススメする症状

矯正歯科治療をおススメする症状

単に歯並びが悪いというだけでなく、歯が生えている歯茎や顎などお口の環境が悪い場合、身体の健康にも影響を及ぼす場合があります。そのため、歯列矯正をされることをおススメする場合がございます。

過剰歯

余分な歯が生え変わりを妨げる事があります。当院で5年間の統計調査を実施した所、概ね30人に1人の割合で(男児に多く)上顎前歯部に埋伏過剰歯の存在が確認されました。上の前歯がなかなか生えてこない…そのような場合、過剰歯の存在を疑ってみるのも一つです。

埋伏歯

本来生えてくるべき永久歯が埋まったまま生えてこない場合があり、以下の様な原因が考えられます。
また、上顎犬歯は、埋伏リスクが高く、生え変わりの時期に注意すべきポイントとなります。これまでの調査から「上顎犬歯」がうまく萌出できずに「埋伏」する頻度は5~6%存在し、埋伏歯診断の約40%を上顎犬歯が占めているとの報告があります。トラブルが生じる頻度は他の永久歯に比べても高いと言えます。

  • スペース不足:永久歯の出てくるスペースが元々たりない。顎が小さかったり、永久歯のサイズが大きすぎるなど。
  • 乳歯の早期喪失:早く乳歯が失われた結果、周りの歯が乳歯欠損部へと動いてしまい、その後に生えてくる永久歯の場所がなくなってしまう場合がある。
  • 乳歯の晩期残存:本来抜けるべき乳歯がそのまま残ってしまっている場合に起こる。
  • 永久歯胚位置異常:歯がつくられる場所に問題があることにより起こる。
  • 萌出方向の異常:本来、永久歯が生えてくる場所と異なる方向を向いて生えてしまったことにより起こる。

※歯科医に「埋伏のリスクがある。」と診断された際には、定期的に検診を受けることをお勧めします。埋伏のリスクを放置すると、その周辺の歯に悪影響を与える可能性があります。保存が困難な場合は、抜歯しなければいけなくなる可能性もあります。子どもの場合、適切な時期に歯が生えるスペースを確保することが大切だからです。お子様のお口の状態によっては、スペース確保と萌出誘導処置が必要な場合があります。

異所萌出(いしょほうしゅつ)

永久歯の生えてくる方向に問題が生じた症状を異所萌出と言います。
上顎6歳臼歯(きゅうし・第一大臼歯)が手前の乳歯にひっかかり、本来、永久歯が生えてくるスペースを守っている乳歯をダメにしてしまうことがあります。早急に手前に傾いた6歳臼歯を望ましい位置に引っ張ってあげないと後々大きな問題を抱えてしまいます。

永久歯の先天性欠損

永久歯の先天性欠損は、ほとんどの場合、原因不明です。永久歯の数が生まれつき少ないことがあります。10人に1人の方に先天性欠損が確認されているといわれています。永久歯の先天性欠損の方は、周囲の歯が永久歯に生え変わった後も使い続けることを念頭におき乳歯を大切に保存することが大切です。また、歯の足りない部位に歯を動かしてスペースを閉じる方法、成長が終了した後にインプラントで補う方法などの対処をします。

先天性欠損は、個人差はありますがおよそ5歳半頃には診断することができます。乳歯をそのまま使う可能性も考えると、乳歯のむし歯予防が非常に大切です。場合によっては、長持ちしない乳歯をあえて抜歯し、そこに永久歯を移動させることで将来インプラントが必要ではなくなることもあります。先天性欠損がある場合は、治療のタイミングが非常に重要になります。そのため保護者の方は、お子様が小学校に入る前にはパノラマエックス線写真を撮って早期発見に努めてください。